相談事例・・・・うつ系事例

 うつ病のほか,躁うつ病(双極性障碍),気分変調性障碍,気分循環性障碍などの事例を解説します。



うつ系事例

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・記載された事例は,ご本人の同意を得た相談内容もしくは公開型メールカウンセリングでの回答です。
・カウンセリング結果には個人差があり,全ての方に事例のような結果が得られる訳ではありません。

【事例211】うつ症状


気持ちが沈んで苦しい 

……佐藤さん(仮名35歳男性)の場合
  (写真はご本人ではありません)

 佐藤さん(仮名)は35歳,結婚5年目である。奥さんと2歳の男の子の3人家族。几帳面な完璧主義者。まじめで責任感が強い。勤めている会社は,チェーン店の飲食店。きちんきちんと仕事をこなしてきたことが評価されて,店長となった。

 張り切って店長となってから半年。みるみる佐藤さんの元気がなくなっていった。以前は,自分の仕事さえきっちりやっていれば良かったが,それでも後輩やパート・アルバイトさんたちの面倒はよく見ていた。店長になってもきっとうまくやれると思っていた。しかし,現実は甘くなかった。周りの見る目が違う。適切なタイミングで適切な指示ができなければならない。人を使わなければならない。人より早く出勤し,人より遅くまで仕事をした。人に仕事を頼めなくなるから,結局自分でしなければならない。景気が悪い中でも,売上は確保しなければならない。

 疲労が増してくる。売上が落ちてくる。誰にも相談できない。さらに疲労が増してくる。頭が働かなくなるが,仕事が頭から離れない。食欲がなくなる。ぼーっとしてくる。

 仕事を辞めた方が良いんでしょうか? 逃げたくもなります。このままで良いのでしょうか? うつなんでしょうか?

◎ここに記載された事例は,ご本人の同意を得た相談内容,もしくは公開型のメールカウンセリングで当館が回答したものです。

【解説】抑うつ感情について

 誰でも気分がゆううつになったり高ぶったりすることはありますから,気持ちが沈んだからといって,即,うつ病を心配することにはつながりません。問題は,それが「正常でない」ほどに進んでいるかどうかです。「程度」「内容」「期間」の三つの面から考えます。

 「程度」としては,気持ちの落込みの程度が大きいこと。生活や仕事の場で,あるいは人間関係の面で,普通にすることがつらいとか困難を感じるような場合です。「内容」としては,考えることが異様に現実ばなれしてくること。かといって,妄想するほど極端ではありません。心配が通常の域を脱している,そんな感じです。そして,それが一時的でなく持続することが「期間」の面となります。最低2週間程度が目安になります。

 具体的な症状としては,気持ちの落込みのほか,疲れやすい,いろんな面で興味・関心がなくなる,食欲がなくなる,眠れなくなる,決断力がなくなる,罪悪感があるなどが見られます。

 うつの症状によっては,脳内分泌物との関連ある場合があります。この場合には,カウンセリングや心理療法では解決できませんので,「うつ」かなと思ったらまず心療内科を受診し,薬の処方をしてもらって下さい。その上で,カウンセリングや心理療法が有効になります。

 また,うつの方に接する場合は,「頑張って」など強くはげましをしないようにして下さい。

【効果】改善を続けたところ・・・・

 佐藤さんの場合,眠ることもできず,食欲もなくなり,ぼーっとして頭が働かない状態が続いているということで,衰弱した様相をみせていました。まず,心療内科を受診してもらい,薬の処方を受けました。また,会社には休職届を出して,じっくりとカウンセリングに取り組むことになりました。具体的には,認知行動療法を採用し,カウンセリングとホームワークを計画的に半年間続けた結果,自分の考え方の癖が改善され,店のスタッフとどうつき合うかについての気づきが生まれてきました。最終的に半年後に職場復帰し,現在,以前と同じ店の店長として,部下の信頼も厚く,毎日の業務に励んでいます。

◎カウンセリング結果には個人差があり,全ての方に事例のような結果が得られる訳ではありません。